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特集  2017.10.19

古き良き住まい/日比野良和さん

日比野さんのお宅は、山県市に唯一現存する茅葺き屋根の民家。

平成10年には美山町重要文化財(現在は山県市重要文化財)にも指定されています。

この家を現在も守り続けている日比野さんにお話を伺いました。

 

みんなが技術者

小雨が降る中、日比野さんのお宅を訪問すると、日比野さんご本人が気さくに迎えて下さいました。

玄関を入ってすぐの土間には、同じ谷合地区にある九合洞窟の出土品が多数並んでいます。

 

 

天井を見上げれば、茅葺きを裏から眺めることができます。

 

 

日比野さんの茅葺き住宅が建築された年は定かではありませんが、専門家によれば築400年以上といわれているそうです。

 

日本全国でその数が減少傾向にあることからもわかるように、茅葺き屋根を維持していくのは一苦労。

茅が年数と共に腐ったり自然に流れ落ちたりするため、年々少しずつ厚みが減っていきます。

何十年かに一度は葺き替え工事をしなければいけません。

 

日比野さんのお宅がいちばん最近葺き替えをしたのは、平成14年。

「このときは業者に葺き替え工事を依頼してやってもらったけど、もともとは全て自分たちの手でやっとった。近隣の人みんなが技術者やったで、みんなで手伝い合って」と日比野さん。

 

日比野さんが暮らす集落では、近所の6、7軒はどこも茅葺き屋根の家だったそう。

白川郷の合掌集落における「結」の制度と同様に、どこかの家で葺き替えをする日は集落の人が総出で手伝いに行き、大変な作業を互いに助け合っていました。

「自分も子供の頃からずっと手伝っとったし、やれば技術は自然に身についてくる。始めの頃は下手でも、上手な人が隣に並んでやってくれるでね」

 

葺き替え作業を行う家ではあらかじめ縄や茅の準備をしておき、当日は朝5時くらいに起きて、古い茅を全部外しておきます。

骨組みだけの状態になった7時から8時頃にはみんなが集まってきて、作業を開始するそうです。

 

【提供:日比野良和さん】

 

束にした茅を単純に並べていくだけではなく、束と束の間に隙間ができないように、束のかたまりをある程度さばいて高さを均一にする。

竹でおさえながら土台に縄で二重にくくりつけ、全員で一斉に締めてから次の束を載せていく、という作業の繰り返し。

 

【提供:日比野良和さん】

 

【提供:日比野良和さん】

 

葺き替え作業はだいたい1日で全部終えてしまうというから驚きです。

「大変な作業やけども、私も家族や近所の人に手伝ってもらいながら、50代まで自分で屋根葺きをしとったよ」

 

葺き替えに使用していた道具
【提供:日比野良和さん】

 

麦藁葺きの頃

茅というのは、屋根葺きの材料に使う草の総称。

代表的なのがススキであり、日比野家の屋根にも使われています。

しかし、かつては麦を材料とした藁葺き屋根だったといいます。

 

「家の前の畑は全て大麦を作っとったで、それを刈って材料にしとった。麦は、私が20歳くらいのときまでは作っとったんやないかな。このへんで作らなくなってから、一時は小麦をよそへもらいに行っとったこともあったよ」

 

状態にもよるものの、ススキは長ければ30年はもつそうです。

一方、麦はススキに比べると耐水性が劣るため、最長でも10年ごとに葺き替えをしなければいけません。

 

また、大麦と小麦とでも質が異なります。

小麦は殻が丈夫なため、20年くらいもつそうです。

 

「麦っていうのは、ほとんど茎が枯れて、真黄色になった状態で刈る。刈り取った麦を全部自分たちで束にして、天井裏に上げておく。そこで乾燥させて、1、2年保存すると、何百束もの束ができる。それでもうちの屋根は大きいもんで、一度に全部葺き替えられるほどの量にはならんから、表と裏と、半分ずつ葺いとったよ」

 

昭和の頃、農作業は子どもからお年寄りまで男女問わず家族総出で行っていたという話はよく耳にします。日比野家の麦の収穫や屋根葺きもそのひとつ。

「そこにあるものを、自分たちの手で活かす」という、まさに暮らしの知恵と技です。

 

時代と共に

日比野さんのお宅の屋根は、茅葺きより下部は桟瓦葺きになっています。

この部分は後から庇が造られたそうで、それも江戸時代に遡るといわれています。

 

増築された部分の柱とそれ以前のものとを比較すると、年代の違いが一目瞭然。

古い柱には釿(ちょうな)で削った跡が残っています。釿とは木材を荒削りするための大工道具で、現在実用されることは稀。

建築様式が時代と共に変化していく中で、味のある釿削りの柱は貴重なもの。

 

釿で削った跡の残る柱

 

また、屋根の最上部にはトタン張りになっています。

それ以前は、杉皮が使用されていました。

「もともとは、いちばん上まで茅だけで葺いとった時代もあったと思う。でもやっぱり、1列分すべて長さと向きを揃えて茅を重ねようと思ったら、手間がかかるで。何百束という茅を調達するよりも、杉皮でやったほうが、何十年ももつし、水捌けもいい」と日比野さん。

 

杉皮を使っていたのは、現在のような製材技術がなかった頃だといいます。

「杉皮の次は、板を張るようになった。昔は、板も釿や鋸でしか作れんかったやろ。縦引き鋸っていって、大きい鋸。丸太を横に切るのは簡単やけど、縦に同じ幅で切るのは難しいんやわ。板1枚作るのも大変やった。だから明治、大正時代の製材機械が導入されてから、板を張るようになったんやな」

 

昔ながらの茅葺き屋根も、時代と共に少しずつかたちを変えながら維持され、守られてきたということが伺えました。

 

大正時代に撮影された日比野さん宅
【提供:日比野良和さん】

 

――――――――――

日比野さん宅を訪問してみたい方、やまがたフットパス実行委員会でツアーを承ります。

お気軽にお問い合せください。

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